すでに30歳を突破している錦織圭選手、弱点と言われていたサーブは、従来から改良を加えてきましたが、2019年肩を痛めた後、さらに変化しています。
では、錦織圭選手のサーブの最高速度、平均速度はどれくらいなのでしょうか?
もともと弱点とは言われていましたが、興味のあるところです。
ここでは、錦織圭選手のサーブ最高速度、平均速度を取り上げていきます。
錦織圭のサーブの最高速度は?
錦織圭選手のサーブの最高速度は201kmです。
サービスエースを連発してポイントを取っていくタイプではない錦織選手、しかしサーブ最高速度は200kmを超えているわけです。
現代テニスでは、サーブよりもストロークを武器としているストローカーやオールラウンダーと呼ばれる選手たちにも、ある程度のスピードを持つサーブが要求されます。
ラケットなどの道具の進化により、ストロークスピードもますます速度を増しています。
また、サーブのスピードがどんどん速くなっていった時期、テニスの試合はサーブだけで終わってしまうのでは?それではつまらないのでは?といった声がありました。
あまりにもサーブの速度が上がり、到底リターンできないのではと考えられたからです。
しかしどうでしょう、200キロをはるかにオーバーするとてつもないスピードのサーブを、鮮やかにリターンする場面をよく見かけます。
決してテニスはサーブだけの試合、とはならなかったのです。
こういったリターンの進化により、サーバー側にある一定以上のスピードが求められています。
そうしなければ、有利なはずのサービスゲームをリターナーに攻撃されてポイントやゲームを失い、極めて不利な試合となるからです。
世界屈指のストローカーである錦織選手が、ある一定レベル以上のサーブ能力を持たなければならないのも、そういった理由からです。
錦織圭のサーブの最高速度はいつ記録した?
錦織圭選手のサーブ最高速度は、2015年の全豪オープン時に記録していたと言われています。
今から6年前、錦織選手が25歳ごろの頃ですね。
錦織選手はその後、肩などを故障してしまい、現在は200キロには少し届かないスピードのサーブです。
しかしサーブフォームが明らかに改良され、右ひじが高めのポジションを取ることにより、安定感が増し、狙ったところへ入れるプレースメントが向上し、さらに回転量が上がっています。
そして以前よりも軽く打っている感があります。
年齢、故障などのフィジカル面も考慮し、回転やプレースメントを重視した身体に負担の少ないフォームとなったと言えるでしょう。
錦織圭のサーブの平均速度は?
錦織圭選手のサーブの平均速度は下記の通りです。
- 1stサーブ:175km
- 2ndサーブ:141km
このサーブスピードは、ATPツアーの中でどの程度のレベルなのでしょうか?
錦織圭の1stサーブの平均速度
錦織圭選手の1stサーブの平均速度は175kmとお伝えしました。
ではこの速度は、他の選手と比べてどうなのでしょうか?
速いのか遅いのか、もしくは平均的ななのか分かりにくいため、他の選手の平均速度を紹介します。
他の選手の1stサーブの平均速度
2019年の全米オープン時のデータがあります。
1stサーブ平均速度第1位は、ニック・キリオス選手で、何と200kmオーバーの202kmです!
第2位はビッグサーバーとして有名な、ライリー・オペルカ選手で、1stサーブ平均速度は198kmでした。
オペルカ選手は1stサーブ最高速度228kmを記録し、こちらは第1位でした。
同速度の第2位はやはりビッグサーバーのジョン・イズナー選手で、1stサーブ平均速度198km、最高速度は225kmとさすがイズナー選手ですね。
こういったビッグサーバーと言われる選手たちの速度に比べれば、錦織選手の175kmは随分遅いような感じですが、これらの選手が速すぎるのでしょう。
ビッグ3の1stサーブの平均速度
ちなみに、ビッグ3と呼ばれるジョコビッチ選手、ナダル選手、フェデラー選手のデータはどうでしょうか?
こちらも2019年全米オープンのデータを紹介します。
- ジョコビッチ選手:1stサーブ最高速度199km、平均速度183km
- ナダル選手:1stサーブ最高速度205km、平均速度187km
- フェデラー選手:1stサーブ最高速度201km、平均速度182km
ジョコビッチ選手はこのところサーブがさらに進化しており、スピードも上がっていると思われます。
しかしこの3人でナダル選手が最も速度が速いというのは意外ですね。
若いころにナダル選手は、最高でも170km程度でしたから、すごい進化です。
また、この大会の錦織選手はいかがだったでしょう?
- 錦織選手:1stサーブ最高速度191km、平均速度166km
錦織選手の1stサーブは、フォア側からは外に切れていくスライスサーブを多用しますので、平均速度とすると回転が多い分遅めになります。
ただ、平均速度では、ビッグ3に近づく180km程度が欲しいですね。
錦織圭の2ndサーブの平均速度
錦織選手の2ndサーブ平均速度は141kmでした。
同じ2019年全米オープンのデータからは、選手の中でほぼ平均値といってよい数字です。
1stサーブと同様2019年の全米オープン時の、他の選手の速度も比較してみましょう。
他の選手の2ndサーブの平均速度
前述の1stサーブ平均速度が速かった3人のプレーヤーの2ndサーブ平均速度は、以下です。
- ジョン・イズナー選手:176km
- オペルカ選手:165km
- キリオス選手:164km
2ndサーブは回転量を多くして確率を重視するサーブなのに、この平均速度ですから、さすがはビッグサーバーと言われるだけはあります。
イズナー選手やオペルカ選手は、強烈な回転がかかり、驚異的に跳ね上がるサーブを打ちながら、このようなスピードが出ているんですね。
この両選手のサービスゲームをブレークするのが至難の業であることがよくわかります。
しかし二人ともグランドスラムでは優勝できないわけですから、テニスは奥深いスポーツですね。
ニック・キリオス選手は、たぐいまれな身体能力を生かし、強烈なサーブとストロークを武器としていますが、ダブルファーストサーブを頻繁に打ちます。
通常ですとファーストサーブがフォルトした場合、回転系の確率を重視したセカンドサーブを打つ選手が大半です。
しかしキリオス選手の場合、セカンドサーブでも200kmを超すサーブ、いわゆるダブルファーストを打つケースが良く見受けられます。
そう考えるとキリオス選手のセカンドサーブ平均スピードはもっと出ていても良いかと思いますが、チェンジオブペース、緩いスライスサーブや、あのアンダーサーブも打つので、こういった速度になっているのでしょう。
ビッグ3の2ndサーブの平均速度
ではビッグ3はどうでしょう?
- ジョコビッチ選手:150km
- ナダル選手:154km
- フェデラー選手:150km
この2019年全米オープン時の錦織選手の2ndサーブ平均速度は140kmでしたので、ここもビッグ3よりも10km程度遅いということになります。
2ndサーブは世界を制す、このビッグ3は3人とも2ndサーブの達人です。
世界ランキング1位を取り合ってきたこの3人ですが、世界ランキング1位の裏には世界一の2ndサーブがあった、と言われてきました。
1stサーブの確率は70%を超えれば高確率、ほぼ50-60%のところを推移します。
つまりキープが必須条件のサービスゲームにおいて、半分近くは2ndサーブからゲームがスタートしているわけです。
リターン能力が極めて向上している昨今、リターナーは相手が2ndサーブの局面となるや、チャンスとばかり超攻撃的にアタックしてきます。
そうしなければサービスブレークは中々できません。
この局面をいかにセーブするか、相手に鋭い攻撃をされない2ndサーブを打つかが、勝敗を左右する大きなポイントとなります。
2ndサーブは世界を制す、の言葉の通りですね!
錦織選手が今後さらに復活の上昇カーブを上げるには、2ndサーブを含めたサービスの更なる改善がカギかもしれません。
まとめ
錦織圭選手のサーブ速度が、世界でどのあたりのレベルにあるのか、掘り下げてみました。
最後におさらいします。
■錦織圭のサーブの最高速度
- 最高速度は201km
- 2015年の全豪オープン時に記録
■錦織圭のサーブの平均速度
- 1stサーブ:175km(平均より遅い)
- 2ndサーブ:141km(平均的)
このようなことが分かりました。
ビッグ3は錦織選手よりもさらに3歳以上ですが、相変わらずナンバーワンを争っています。
30歳を過ぎたとはいえ、錦織選手もまだまだこれからでしょう!
錦織選手のストローク力、ゲームマネジメント、テニスセンスは世界有数、サーブを更に進化させて、上位進出を目指してもらいたいです!
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