日本男子テニス界の歴史を塗り替えてきた錦織圭選手、その登場により夢物語だったことが次々に現実化してきました。
ランキングトップ10入り、GSにおける上位シード、ATPツアーでの数々の優勝・・・
錦織選手登場前は、まさに夢のまた夢、これらが実現する日はいったいいつ来るのだろうと、テニスファンは心待ちにしていたものです。
では錦織圭選手の何がすごいのかでしょうか?
その強さはどんなところにあるのか、そして何が彼を天才と言わしめているのか、多くのことが従来からコメントされています。
ここでは、錦織圭選手の何がすごいのか、強さの秘訣は、また天才と言われる所以について迫っていきます。
錦織圭は何がすごい?強さの秘訣や天才と言われる理由を徹底解説!
— Kei Nishikori (@keinishikori) September 17, 2021
では錦織圭選手は何がすごいのでしょうか?
それを5つにまとめ、下記に挙げてみました。
- ①「速い」ストローク力
- ②ダブルバックハンドダウンザラインショット
- ③華麗なゲーム展開
- ④ボレーにおける天才的なボールタッチ
- ⑤抜群の勝負強さ
ではそれぞれ詳しい解説していきます。
①「速い」ストローク力
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まず何と言っても錦織圭選手のすごさは、そのストローク力にあります。
他の選手よりも早くボールをとらえて時間を奪い、一気にストローク戦を優位に展開する、これが錦織選手が試合においてポイントを取っていく最も大きな要素です。
テニスの歴史を紐解くと、グランドストロークを武器とする選手隆盛の時代、サーブ&ボレーを得意とする選手が謳歌した時代、ストローカー対ボレーヤー対決の時代などその時々において変遷してきました。
現代テニスでは、道具の進化から、サーブスピードがあまりにも速くなり、リターンをすることが難しく、テニスはサーブだけで終わってしまうのではという危惧がありましたが、実際は逆にそれを上回るリターン力を身に着ける選手も増え、ストローカー全盛の時代と言えます。
ストロークもフラット・スライス系ボールの時代から、ボルグが登場してトップスピンボールが脚光を浴び、グリグリのスピンボールが席巻したこともありましたが、現代ではスピンボールは当たり前、これにスピードが加わり、スピンレート・ボールスピードともに大幅に上がっています。
フィジカル面も向上し、大型選手=動きが鈍いといった常識は覆され、ズべレフ選手のように198センチでありながらフットワークも抜群という選手が多くなっています。
このような超高速、高スピンのストロークが当たり前となっている状況で、178センチと小柄な部類に入る錦織選手がストローク戦で打ち勝っていくのは、早いタイミングで放たれるボールが、しかもコントロールされて相手コートに突き刺さることにあります。
ライジングショットと呼ばれるこのショットを的確に打ち続けることは、相当難しいことです。
世界ナンバーワンのジョコビッチ選手はよく錦織選手のことを「速い」と警戒します。
この「速い」ということは、ボールに追いつくまで、ボールを打つタイミング、ボールそのもののスピード、そのすべてが速いという意味です。
ジョコビッチ選手が常勝である要素も、この速さが他選手よりも決定的に上回っていることにあります。
どんなにすごいショットを持っていたとしても、ボールにおいつけなかったり、十分な体勢で打てなければポイントは取れないのです。
それほど速さということは重要なことです。
ジョコビッチ選手も認める錦織選手の速さ、これが錦織選手最大の武器であり、すごさなのです。
②ダブルバックハンドダウンザラインショット
Good win today! pic.twitter.com/8NSCH8YElK
— Kei Nishikori (@keinishikori) August 31, 2021
錦織選手のすごさ、ダブルバックハンドダウンザラインショットがそれを象徴しています。
もともと、フォアハンドよりもバックハンドを得意とする錦織選手、テレビ番組の一定時間内にストロークショットで的を当てていく企画でも、フォアハンドではなく、バックハンドで打っていました。
錦織選手は特にバックハンドのコントロールに絶対の自信を持っています。
これはその自信を裏付けるものです。
激しいストロークの応酬となる場面、錦織選手はそのストローク戦に勝利する最後のショットとしてバックハンドダウンザラインショットを度々見せます。
ボールの落ちる場所は、ベースラインとシングルサイドラインが接するコーナーの僅か内側、ほぼ数センチレベルでコントロールされます。
これほどのレベルでこのショットを決められる選手は、世界でも中々いません。
ジョコビッチ選手もこのショットを得意としていますが、錦織選手と精度は互角、確率の面でも五分五分と言えるかもしれません。
さすがのジョコビッチ選手でも、確率が落ちる場面をしばしば見受けます。
それほど難しいショットであると言えるでしょう。
③華麗なゲーム展開
Big battle. Happy I won👍💪 pic.twitter.com/MOSjoh9Btg
— Kei Nishikori (@keinishikori) September 3, 2021
あまりにも鮮やかなドロップショットが、ここぞのタイミングで、あの位置に決まる、まさに華麗なるゲーム展開を錦織選手は魅せてくれます。
テニスの試合は、他の球技同様、二つとして全く同じことは起こりません。
似たような場面は度々見受けられますが、全く同じではなく、その都度都度で微妙に異なっています。
相手の打つボールスピード、スピン量、打たれた場所、相手の位置、そしてスコア状況、すべての場面は唯一無二です。
選手はその時々に瞬時にショットを選択し、どこへどのようなボールを打つかを判断します。
あるいは、豊富な練習量から、このショットが来たらこのように返して展開していくと身体で覚えていることもあります。
錦織選手の試合展開は、決して教えてできるものではありません。
あのニック・ボロテリー氏は、未だ若い錦織選手を、教えなくても出来る才能の持ち主と評しました。
まさに錦織選手が天才たる所以、ドロップショットや、ネットプレー、サーブ&ボレー、ストローク戦でのウィニングショット、まさにテニスセンスの塊のような錦織選手は、観客をワクワクさせるプレーをみせます。
これはたぐいまれな才能と言えるでしょう。
松岡修造氏は錦織選手を評して、このような選手は二度と現れないかもしれません、と語りました。
まさに天才 錦織圭はここにあり、ですね!
④ボレーにおける天才的なボールタッチ
\🎊㊗おめでとう🎊/#錦織圭 選手(@keinishikori)🎾が#全米オープン で
ベスト32入りを決めました❣この勢いで次の試合も
頑張ってください🎾✨#GoKei#JALスポーツ pic.twitter.com/3yeaXd3qc5— JAPAN AIRLINES【JAL】 (@JAL_Official_jp) September 3, 2021
錦織選手がその天才ぶりを発揮するプレーに、ボレーがあります。
最近はネットに出てポイントを取る場面も多くなってきた錦織選手ですが、ボレーにおけるボールタッチは、まさに天才です。
東京オリンピックでは、シングルスのみならず、名手マクラクラン勉選手と組んでダブルスにも出場しました。
このペアはまさに、ワクワク感満載のペアですね!
惜しくも上位進出はなりませんでしたが、見事な試合ぶりをみせてくれました。
シングルスプレーヤーである錦織選手ですが、ダブルス戦に本格的に参戦すれば、上位ランクは間違いないでしょう。
非常に難しい相手ショット、速めのボールが足元のいやらしいところに打たれた場面でも、錦織選手は何の難しさも無いようなプレーで、あっさりと返していきます。
逆にこれをハーフボレーのドロップショットでポイントにしてしまう場面もしばしばです。
プロである以上、各選手は卓越したボレー技術を持っていますが、瞬時のボールタッチの柔らかさは中々練習してできるプレーでもありません。
それをいとも簡単にこなす錦織選手は、まさに天才、すごいプレーヤーです!
⑤抜群の勝負強さ
Fifth set warrior 🇯🇵 💪@keinishikori does it again. #USOpen pic.twitter.com/dxwnzmgNht
— #AusOpen (@AustralianOpen) September 3, 2021
錦織圭選手のすごさ、最後はその抜群の勝負強さです。
フルセット勝率72.5%は歴代で二位!
最近のGSでフルセット勝利を積み重ねたジョコビッチ選手がわずかに上回り72.8%のようですが、錦織選手はいつしか「ミスターフルセット」の異名をとっています。
マレー選手の69.7%、ナダル選手の69.1%、フェデラー選手の64.7%などのビッグネームをはるかに上回っているのです!
GSにおけるフルセットマッチだけ取り上げてみれば、2021年全仏終了時点でフルセット勝率何と26勝7敗、勝率78.7%!
まさにミスターフルセットですね!
そして3セットマッチにおける錦織選手フルセットの勝率は下記です。
第一セットを奪った場合の勝率
1位 | ノバク・ジョコビッチ | 76.0% |
4位 | 錦織圭 | 69.2% |
参考 | アンディ・マレー | 67.4% |
参考 | ロジャー・フェデラー | 66.7% |
第二セットを奪った場合の勝率
1位 | 錦織圭 | 76.5% |
2位 | ラファエル・ナダル | 74.3% |
参考 | アンディ・マレー | 71.2% |
参考 | ノバク・ジョコビッチ | 71.0% |
抜群の勝負強さですね!
驚愕すべきは、あの諦めない男ラファエル・ナダル選手を上回っていることでしょう。
ナダル選手の粘り強さはまさに驚愕、この場面から巻き返すのかというところをしばしばみせていますが、錦織選手はそれ以上なのです!
そして旧ビッグ4、現在のビッグ3をもしのぐ結果を残しています!
この勝負強さがどこから来るのか、フィジカルで他選手を圧倒しているとは言えないと思います。
錦織選手も超ハードなトレーニングを積んで、相当なフィジカル力を持っていますが、それ以上と見受けられる選手も多いです。
試合の流れ、そしてここぞというところでの読みで勝負をかけるタイミング、それを成功させる卓越した技術、そういったものが総合的に醸し出され、こういった結果を生んでいるのでしょう。
まとめ
He didn’t leave until every kid got their autograph 😎@keinishikori | #USOpen pic.twitter.com/TxChc4PuCI
— ATP Tour (@atptour) August 31, 2021
以上、錦織圭選手の何がすごいのか、強さの秘訣は、また天才と言われる所以についてまとめましたがいかがだったでしょうか。
最後におさらいです。
錦織圭選手のすごさは以下の5つが挙げられます。
- ①「速い」ストローク力
- ②ダブルバックハンドダウンザラインショット
- ③華麗なゲーム展開
- ④ボレーにおける天才的なボールタッチ
- ⑤抜群の勝負強さ
錦織選手の試合は魅力が満載です。
溜息の出るような高速ラリーを見後に締めるDLショットやクロスショット、高確率でポイントを取るネットプレー、そして見事としか言いようのない華麗なるドロップショット・・・
錦織選手の強さ、すごさに迫ってみました。
楽しんで頂けましたでしょうか?
選手にはつきもののケガにも悩まされる時もありましたが、それを糧にまた進歩している錦織選手、さらに強さ、すごさをブラッシュアップして私たちの前に現れてくれることでしょう!
ますます錦織選手の試合からは目が離せません!
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