復活への手ごたえ十分の錦織圭選手、過去、現在の歴代コーチはどんな方々だったのでしょうか?
過去、現在の歴代コーチを一覧にしてみました。
また、テニスプレーヤーはコーチを変更することもしばしばですが、錦織圭選手のコーチ解消理由はどんなところにあったのでしょうか?
ここでは、錦織圭選手の過去、現在に渡る歴代コーチ一覧をとりあげ、そしてその解消理由に迫ります。
錦織圭の歴代コーチの過去から現在までの一覧
🎾 #錦織圭 🎾
五輪で感覚を取り戻した錦織圭。「2年ぶりくらいにいい気分になっている」とワシントンでも快進撃続く<SMASH>
※錦織圭公式アプリでは、動画や写真が頻繁にアップされています。錦織ファンはチェックです#keisapphttps://t.co/DfiKDBNAHn
— スマッシュ編集部 (@smash_monthly) August 6, 2021
錦織圭選手の歴代コーチをまとめました。
こちらです。
年度 | コーチ名 | 主な出来事 |
2003年~ | ニック・ボロテリー | 錦織選手が留学していた米国IMGアカデミーの主催者で、錦織選手の才能を見出す |
2007年~2010年 | グレン・ワイナー | 2008年錦織選手デルレイビーチでツアー初優勝 |
2010年~2019年 | ダンテ・ボッティーニ | 錦織選手の今日を作り上げ、大会での飛躍的な活躍を実現 |
2013年~現在 | マイケル・チャン | 2014年全米オープン準優勝など、数々の輝かしい実績 |
2019年~現在 | マックス・ミルニー | ケガなどからの錦織選手復活、ダブルスのスペシャリストであり、今後の戦略変更がみえる |
ではそれぞれ詳しく紹介していきます。
2003年〜:ニック・ボロテリー
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— IMG Academy Tennis (@IMGATennis) August 21, 2021
ニック・ボロテリーは錦織選手の専属コーチではありませんが、錦織選手のテニスプレーヤーとしてのまさに原点となった方です。
2003年当時13歳の錦織選手は、米国フロリダ州のIMGアカデミーにテニス留学します。
盛田正明テニスファンドに見いだされて留学したことは、あまりにも有名です。
ニック・ボロテリーは渡米したての13歳の少年が「怯えていた」と語っています。
今では流暢に英語でインタビューに答える錦織選手ですが、英語も出来ない13歳の少年が一人ポツンと日本とは異なる米国社会に置かれたわけですから、無理もありません。
しかしニック・ボロテリーは錦織選手に、誰かに教えられてできるものではない才能を見出します。
彼の後押しは、まだ自信をつけていない少年プレーヤーの大きな味方となったのです。
IMGアカデミーを卒業した錦織選手は、ニックに見いだされた才能を武器に巣立っていきます。
2007年〜2010年:グレン・ワイナー
グレン・ワイナー元コーチよりファンの皆さんへメッセージ https://t.co/8v881949PI @https://www.twitter.com/netdashより
— ヨンケロ (@hbcrazy) August 23, 2021
錦織選手初期のコーチは、グレン・ワイナー氏です。
グレン・ワイナー氏は南アフリカ出身、プロ転向は1994年とのことです。
この時代のトップトピックは、何といっても2008年、当時18歳だった錦織選手が、デルレイビーチオープン ATP250レベルの大会でツアー初優勝を飾ったことです。
この時の様子を語っていたグレン氏のコメントをエピソードとして紹介しましょう。
錦織選手はこのデルレイビーチオープンに実は出場したくなかったのです。
この大会前の、チャレンジャー大会(ATPツアーレベルよりも下のグレードの大会)に出場していた錦織選手は、3大会連続で敗戦、それよりも上のレベルであるデルレイビーチオープンなどとても無理、惨敗に終わってしまうと危惧していました。
ニック・ボロテリー氏、グレン・ワイナーコーチはそれでも錦織選手にこの大会に出場し、チャレンジしてみるべきだと強く勧めました。
出場した錦織選手は、予選を勝ち抜き、本戦も次々に強豪を撃破、準決勝のサム・クエリー戦では相手マッチポイントをしのいで勝利、そして決勝は当時世界12位、最高位は4位の第一シードジェームス・ブレイク選手との対戦でした。
そして、この年の年初288位だった予選上がりの18歳が、トップ10プレーヤーと言えるブレイク選手を破ってしまったのです!
まさに快挙!
この大会へのニック氏やグレン氏の強い出場への勧めがなかったら、今日の錦織選手の活躍はもしかしたらクエスチョンだったかもしれません。
2010年〜2019年:ダンテ・ボッティーニ
ディミトロフのチームに錦織圭の元コーチが新加入! | Tennis Classic(テニスクラシック公式サイト)|日本文化出版 https://t.co/KYL7fYiZyt
— ヨンケロ (@hbcrazy) August 23, 2021
錦織選手あるところにダンテ・ボッティーニコーチあり、ダンテコーチあるところに錦織選手あり、錦織選手のテニス選手キャリアの中で、最も密接なつながりを持ったコーチです。
2010年IGMアカデミーのエリートコーチだったダンテ・ボッティーニ氏は、グレン・ワイナーコーチと入れ替わる形で、錦織選手の専属コーチに就任しました。
錦織選手は、2008年18歳でツアー初優勝、しかしテニスプレーヤーの中には、1度優勝したことがキャリアの最高であった選手も大勢います。
そこでつけた自信を更に大会で飛躍させるために、どのようにしなければならないのか、錦織選手はまさにダンテコーチと二人三脚でこれを取り組み、年々強さを増していきました。
厳しいツアーの連戦、そして過酷な試合が続く中で、ダンテコーチが錦織選手に植え付けたものは、フィジカルでしょう。
どんなに高い技術、威力のあるサーブ、ストロークを持っていても、最後のマッチポイントを取るまでフィジカルが持たなければ、その時点で敗戦となります。
激しい試合の連続で、錦織選手も何度がケガに泣かされましたが、大会で見るたびにフィジカルが向上しているのがよくわかります。
現在の錦織選手の体感、筋肉などは、相当なレベルに到達しています。
2019年、新しい声をききたいとほぼ10年間のダンテコーチとの関係を解消した錦織選手ですが、ダンテ氏も、にこやかにこれを受け入れていたことが印象的です。
2013年〜現在:マイケル・チャン
選手控え室の前でマイケル・チャンコーチに会いました。ニューポートビーチだけでなく、ダラスにも同行。#錦織圭 #マイケルチャン #keinishikori #michaelchang #dallas pic.twitter.com/DBTTfNisgL
— TENNIS.jp (@tennis_jp) February 4, 2018
マイケル・チャンコーチ、小柄な身体でありながら18歳の若さでグランドスラム全仏オープンを制覇し、その不屈のスピリッツを世界に示しました。
テニスツアーでは大柄とは言えない錦織選手、相手のパワーをタイミングの早いカウンターや、戦術で封じ、実績を上げてきました。
そしてどうしても取りたい悲願のグランドスラム、これにはフィジカル、戦術、技術とともにメンタル力がものを言います。
幾度となく訪れる窮地をどのように脱出するのか、ここぞで決めたい一本を決めきるメンタル力はどこから来るのか、錦織選手がマイケル・チャン氏にコーチを依頼したことは、このような事を学びたいと思ったからでしょう。
プレースタイルに多少の違いはありますが、小柄な身体、パワーヒッターに対抗する戦術、技術、そしてメンタルとフィジカル、錦織選手と共通点の多いマイケル・チャンコーチはまさにうってつけと言えます。
2019年〜現在:マックス・ミルニー
Team dinner. 2021 on our mind! https://t.co/uLBRtWkzZW pic.twitter.com/Y7C2vZpO0b
— Kei Nishikori (@keinishikori) January 7, 2021
ダンテ・ボッティーニ氏とのコーチ契約を解消した後、錦織選手はマックス・ミルニー氏と契約しました。
マックス・ミルニー氏は現役引退が2018年と、経験はまだ浅いコーチです。
しかし錦織選手とは、IMGアカデミー時代から面識があり、錦織選手はアカデミー時代にマックスによく教えてもらったと語っています。
そしてIMGアカデミーのコーチから錦織選手専属コーチへ転身しました。
マックス・ミルニー氏の現役時代は、特にダブルスで輝かしい実績を持っています。
グランドスラムでは、全仏男子ダブルス4回優勝、ウィンブルドンではセリーナ・ウィリアムス選手と組んで混合ダブルス1回優勝、全米では男子ダブルス2回、混合ダブルスで3回優勝しています。
強烈なサーブ、そしてダブルスといえばネットプレー、ミルニー氏もこれらを得意としていました。
錦織選手も30歳を超え、従来のストロークで相手を圧倒するプレースタイルから幅を広げようとしている意志が感じられます。
あのロジャー・フェデラー選手が40歳となる今でもトッププレーヤーとして活躍しているベースに、プレースタイルの変化があります。
若いころは、サーブ、そしてフォアハンドストロークを基本とた攻撃的プレーで圧倒していたフェデラー選手も、ネットプレーを多用し、リターン時もSABR(セイバー)と呼ばれる神業のような攻撃的リターンでネットを取り、鮮やかなボレーを決めるシーンも何度もみせてくれました。
ナダル選手は、30歳をとうに過ぎた今も、サーブのスピードが速くなっています。
ある大会のサーブ平均速度は、フェデラー選手、ジョコビッチ選手を上回っていたとのデータもあります。
若いころのナダル選手を考えると、ちょっと信じられないデータですね。
こういった良い目標があるわけで、錦織選手もまだまだサーブ速度を上げることは可能であり、またすでにセンス抜群のネットプレーにさらに磨きをかけることも重要です。
新しい声をききたいとダンテコーチとの長年の関係を解消した錦織選手、いよいよ円熟期、ミルニーコーチを招いて、プレースタイルの幅を拡げ、これからも長年にわたりトッププレーヤーとしての活躍が期待されます。
まとめ
Very happy with win tonight! Tough fight. @CitiOpen https://t.co/HdwhcvAvUr pic.twitter.com/9MTyHCRysR
— Kei Nishikori (@keinishikori) August 7, 2021
以上、錦織圭選手の過去、現在に渡る歴代コーチ一覧をとりあげ、そしてその解消理由についてまとめましたがいかがだったでしょうか?
歴代コーチはこちらの方々でした。
- ニック・ボロテリー:2003年〜
- グレン・ワイナー:2007年〜2010年
- ダンテ・ボッティーニ:2010年〜2019年
- マイケル・チャン:2013年〜現在
- マックス・ミルニー:2019年〜現在
錦織選手のコーチ陣系譜をたどると、第二の故郷とも言うべき米国フロリダIMGアカデミーの血筋が脈々と流れていることがわかります。
プロジェクト45、当時日本選手世界ランキング最高位だった松岡修造選手の46位を何としても打ち破るためのプロジェクトが日本テニス界に発足しました。
それどころか、錦織選手は世界最高位何と4位まで躍進、グランドスラムにおいて第8シードまでに入るという、かつてを考えればまさに夢のような出来事を実現してくれました。
グランドスラム予選を突破するかどうか、突破すれば大きなトピック、本戦で一勝でもすれば大きな記事で取り上げられていた時代です。
錦織選手を見出してくれたニック・ボロテリー氏をはじめ、歴代のコーチ陣にまさに大感謝、錦織選手の今日は彼らの誰が欠けてもあり得なかったでしょう!
さあ、マックス・ミルニーコーチ、マイケル・チャンコーチとともにこれから錦織選手がどう変化し、さらに飛躍していくのか、とても楽しみです。
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