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ノバク・ジョコビッチ選手、20歳でGSを初制覇して以降、36歳になる現在に至るまでナダル選手、フェデラー選手をしのぐ23回のGS制覇!
どんなプレースタイルであれば、これだけの勝利を積み重ねられるのでしょうか?
大変興味あるところです。
ここでは、2度と現れる事はないかもしれない伝説の大選手になりつつある、ジョコビッチ選手のプレースタイルに斬り込み、解説していきます。
ジョコビッチのプレースタイルを解説
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2023年全豪を制したジョコビッチ選手は、最も苦手と言って良いコートサーフェスの全仏オープンをも失ったセットわずかに2セットで優勝、ついにGS制覇の数でナダル選手を上回りました。
ここではジョコビッチ選手のプレースタイルをサーブ、リターン、フォアハンド、バックハンド、ボレーのカテゴリーに分け、詳細を解説していきます。
ジョコビッチのサーブ
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どのカテゴリーも弱点が見当たらず、しかもそれぞれが超一流のレベルであるジョコビッチ選手、強いてあげればサーブがやや弱い(過去形で弱かった、と申し上げます)という面がありました。
ジョコビッチ選手のサーブは進化をし続けています。
その第一段階は、2011年ジョコビッチ選手覚醒の年です。
2008年に全豪オープンを20歳で制覇したジョコビッチ選手ですが、その後のGS大会では無冠に終わります。
また翌年2009年、翌々年2010年はGS大会で優勝する事は出来ませんでした。
テニス界はフェデラー選手・ナダル選手の2強の時代、ジョコビッチ選手はその後ろに隠れた第三の男という世界が形成されつつありました。
2010年にグルテンアレルギーであることが発覚したジョコビッチ選手は、懸命の努力でこれを克服していきます。
フィジカルが安定したジョコビッチ選手は、一番の弱点であったサーブを改善します。
試合で勝利ヘむけて、いいところまで行きながら肝心なところでDF、流れを相手に渡して敗戦というシーンを何度か目にしてきました。
2011年シーズンに登場したジョコビッチ選手は、明らかにサーブが改善されていました。
それまでは柔らかい身体が故に、かなり後ろに反り返り、ラケットも大きく下から上にスイングをしていたジョコビッチ選手、身体には負担の大きなフォームです。
それが、まるで力を八分程度で打っているのではと思わせるほど楽なフォームに改善、ラケットのバックスイング位置も高くなり、安定度が相当増しました。
元来、フォアハンド逆クロスショット、コートカバーリングには定評があり、どんどん強くなっていたジョコビッチ選手ですから、緊張を強いられる重要なポイントでも自信をつけたサーブで切り抜け、2011年シーズンは当初から怒濤の快進撃をみせます。
2011年は全豪を制覇し、全仏準決勝でフェデラー選手に敗れるまで年初から何と41連勝、その間フェデラー選手や、クレーコートで過去1勝も出来なかったナダル選手に何度も勝利、「2強時代」を引きずり下ろし、それどころかウィンブルドン、全米も制覇してGS三冠、フェデラー選手・ナダル選手を押さえて堂々の世界一位となるのです。
その後も、ジョコビッチ選手のサーブは更に進化を続けます。
2016年に全仏を制覇してキャリアグランドスラムを達成したジョコビッチ選手ですが、翌年2017年は不本意なシーズンとなってしまいました。
最も得意な全豪であっさり2回戦敗退、全仏ではティーム選手に敗退、ウィンブルドンでは肘痛が悪化して棄権、残りシーズンを欠場しGS無冠に終わります。
フェデラー選手、ナダル選手の巻き返し、ティーム選手やズベレフ選手らの若手台頭、キャリアグランドスラム達成後の虚脱感、そしてケガとジョコビッチ選手は大ピンチに陥ります。
しかし、故障を克服し、2018年ウィンブルドンに登場し、復活優勝を果たしたジョコビッチ選手は、サーブの更なる進化を見せつけます。
それが如実に現れたのが2018年全米でした。
リターン、ストローク、ネットプレー、ドロップショットなどどれも超一流、相手よりも2枚も3枚も上、これに強烈さを増したサーブが加わります。
もともとサービスエースの数はそんなに多くないジョコビッチ選手でしたが、この全米においては、サーブブレークのピンチをことごとく1本のサービスエースで切り抜ける場面が何度もありました。
サーブのスピードも10キロ前後アップした上に、従来の極めて正確なサーブプレースメントにより、1試合のサービスエースの数は二桁を超えるようになったのです。
この進化はフォームなどの改良というよりは、サーブのスピード、威力のアップです。
これでは相手はたまりません。
全く隙の無いジョコビッチ選手が2018年全米も制覇します。
それから5年、36歳となった2023年も絶好調、衰えるどころかますます強くなっている感すらあります、
一体どこまで強くなるのでしょうか!
ジョコビッチのリターン
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世界ランキングで1位を争うような選手は、どの選手も極めてリターンが上手です。
若い頃はハードヒットリターンで相手を寄せ付けなかったフェデラー選手、キャリア後半ではSABRと呼ばれる超攻撃的リターンをみせていました。
ナダル選手、錦織選手も世界有数のリターナーです。
その中でも際だって光るリターン力をみせているのがジョコビッチ選手です。
数々の名手を抑え、リターナーでは世界一といって良いでしょう。
まずラケットの届く範囲のサーブであれば、220キロを超えるような超高速サーブでもジョコビッチ選手はいとも簡単そうにリターンしてしまいます。
左右の動き、またコースの読みがなぜわかるのかと思わせるほど良く、よほどのサーブでないとジョコビッチ選手からエースを取るのは至難の業です。
ジョコビッチ選手は、いわゆるビッグサーバーと呼ばれる選手達に極めて相性が良いです。
ビッグサーバー達が大半の選手からはエースを取れるサーブを、ジョコビッチ選手がリターンしてしまうことが一番の要因でしょう。
リターンが返り、ストローク戦に持ち込まれるとビッグサーバー達のポイントを取る確率は極めて低くなります。
ビッグサーバーの一人、ジョン・イズナー選手は最もキープに困る相手としてジョコビッチ選手を挙げています。
そして、このすさまじいジョコビッチ選手のリターン力も更に進化しているのです!
2023年全仏準決勝のアルカラス選手戦、アルカラス選手のサーブの場面で、ワイド方向へ相当強烈なサーブが入りましたが、それをジョコビッチ選手は更に強烈なフォアハンドクロスリターンを決め、あのアルカラス選手からリターンエースを奪うというシーンがありました。
DL方向ではなく、クロス側にリターンエースを決める、しかも相手はアルカラス選手、ジョコビッチ選手はリターン力も進化をし続けています!
ジョコビッチのフォアハンド
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ジョコビッチ選手の身体的特徴の一つとして、柔軟な身体が挙げられます。
この柔軟性を生かし、ジョコビッチ選手は若い頃からフォアアンド逆クロスショットを非常に得意としてきました。
ツアーでは右利きの選手の方が多いわけですから、この逆クロスショットを打たれた相手は、バックハンドで対応するしかありません。
ジョコビッチ選手の逆クロスショットは、十分にスピンがかかり、スピードもあってかつ角度がついていますので、相手は回り込む余裕はほとんどないでしょう。
ビッグフォアハンドを持っている選手は、得てしてバックハンドに弱点があります。
ナダル選手もそうですが、ジョコビッチ選手は相手の弱点を突いていくのが極めてうまいプレーヤーです。
2008年、ジョコビッチ選手が全豪でGS初優勝した決勝の相手ツオンガ選手は、キャリア初期のころこそある程度互角の勝負をしていましたが、キャリア後半ではジョコビッチ選手に全く勝てなくなってしまいました。
ツオンガ選手の武器は強烈サーブとビッグフォアハンドでしたが、バックハンドにやや難点があり、ジョコビッチ選手にそこを突かれてしまいます。
しかし、対サウスポーとなると、話が少し違ってきます。
右利きであるジョコビッチ選手のフォアハンド逆クロスショットは、サウスポーの選手にはフォアハンド側となるからです。
GSでジョコビッチ選手と数々の大激闘を演じてきたナダル選手がその典型です。
ナダル選手はヘビートップスピンの強烈なフォアハンドを武器としていますので、ジョコビッチ選手が逆クロスショットで攻めたとしても、ナダル選手のフォアハンドの餌食となってしまいます。
キャリア前半ではナダル選手に対戦成績で分の悪かったジョコビッチ選手ですが、グルテンアレルギーなどの身体的な面と、こういったショットの相性の問題がありました。
打倒ナダル選手なくして世界一はない、ジョコビッチ選手は、フォアハンドをクロスコート側浅めに角度をつけるというショットを見せ始めました。
精密機械のように、ナダル選手のバックハンド側へ浅めの角度のついたショットを放つジョコビッチ選手、フットワークの良いナダル選手は当然追いつきますが、両手打ちバックハンドであるため、次のショットへの備えがわずかに遅れます。
ジョコビッチ選手は、このショットを交えてストローク戦を展開し、徐々に自分に有利となっていくよう持ち込むのです。
対ナダル選手への勝率が上がり、互角かジョコビッチ選手がわずかに上回る成績を残しています。
しかし、ナダル選手もさるもの、このショットへの対抗策としてバックハンドを鍛え上げ、盛り返してきます。
この二人のライバル関係は、本当にすさまじいものがあります。
ジョコビッチのバックハンド
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ジョコビッチ選手は世界一のリターナーと記述しましたが、バックハンドについても間違いなく世界一です。
現代テニスでは、バックハンドが強くないとATPツアー上位へ進出出来ません。
あるレベルまでは、ビッグサーブ、ビッグフォアハンドで勝ち進めるかもしれませんが、そこから更に上を目指すならば、バックハンドを鍛え上げる事が必須です。
両手打ちバックハンドでは、ジョコビッチ選手を筆頭に、錦織選手、メドベージェフ選手、ズベレフ選手、マレー選手など、片手打ちバックハンドではフェデラー選手、チチパス選手、シャポバロフ選手、ワウリンカ選手、ティーム選手など、名手は数多くいます。
その中でも、ジョコビッチ選手のバックハンドは世界一です。
ミスのほとんどない、超安定したバックハンドをみせるジョコビッチ選手、特筆すべきはバックハンドDLショットです。
激しいストローク戦のおり、また相手がネットアタックを仕掛け、攻撃してきたとき、ジョコビッチ選手の極めて正確なバックハンドDLショットが見事にライン際に決まる、といったシーンを何度見たことでしょうか!
そしてこれだけでも相当な武器であるにもかかわらず、ジョコビッチ選手はバックハンドから絶妙なドロップショットを繰り出します。
相手を逆クロス側にフォアハンドやバックハンドショットで押し込んだあと、その対角線のネット際にドロップショットをポトリと落とすのです。
このショットは、多くはバックハンドから放たれています。
これでは相手はたまったものではありません。
仮に何とかこれを拾ったとしても、次のショットのため待ち構えるジョコビッチ選手にとどめを刺されてしまいます。
ジョコビッチのボレー
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ジョコビッチ選手がボレーをするシーンは、そんなに多くはありません。
ジョコビッチ選手の勝利への方程式として、サーブでのフリーポイントを狙うこと、ストローク戦で優位に立つこと、ここまでで勝利出来る相手であれば、特別なことはあまりやりません。
ポイントが取りにくくなってきたり、相手のプレーレベルが上がったりした場合、これにドロップショットを交えてきます。
そして、ストローク戦で打合っていると相手が威力で押してきている、あるいはフィジカルの問題から(やはり36歳ですから)ポイントを早めに取っておきたい、そのように感じたとき、ネットプレーが増えてきます。
キャリア後半のフェデラー選手はネットプレーに積極的に出るケースが多くなり、まさに華麗にボレーを決めて観客を沸かせました。
ナダル選手も、バックハンドとネットプレーに磨きをかけ、強さレベルを維持しました。
ジョコビッチ選手は、未だそこまでネットプレーを取り入れているようではないように見受けられます。
2023年全仏のアルカラス選手との準決勝、この試合はいつものジョコビッチ選手の試合振りと少し違いました。
しかしそれ以外の試合は、ほぼいつも通りでした。
消耗戦であるクレーコート、そして相手がアルカラス選手ということで試合開始早々から飛ばしていき、ネットプレーも駆使しながら早い決着をつけたいというジョコビッチ選手の気持ちの現れでしょう。
ジョコビッチ選手はボレーも大変うまく、ネットに出ればほぼポイントを奪取しています。
しかし現在は、サーブやストローク、ドロップショットといった武器に比べると、あまり重視していない感じがします。
もしもの話ですが、ジョコビッチ選手が、フェデラー選手・ナダル選手と同様に、今後ネットプレーを積極的に取り入れていったとすると、ジョコビッチ選手は他の選手を更に引き離してしまうでしょう。
まとめ
The holiday season always remind us that, when united, we can help event more and provide support where it is most needed.🎄
Thank you for always being with us. We will keep spreading our mission and striving to fulfill children’s dreams.❤️
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— Novak Djokovic Foundation (@novakfoundation) December 24, 2022
36歳にして無敵の絶対王者ジョコビッチ選手。
36歳という年齢的な衰え、フィジカルの問題はほとんど感じられません。
2023全仏準決勝では、相手20歳のアルカラス選手の方が、フィジカルがおかしくなり、痙攣をおこして第三、第四セットは勝負になりませんでした。
これは全世界のテニスファンを驚かせました。
全豪、ウィンブルドンではほぼ無敵状態、苦手の全仏も優勝し、あまり相性の良くない全米でも優勝候補一番手。
2023年のテニスシーンはジョコビッチ選手のためにあると言って過言ではないでしょう。
ジョコビッチ選手を止められる選手は現れるのでしょうか!
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