男子テニス界のレジェンド、ラファエルナダル選手、19歳と2日で全仏オープンを初制覇して以来、今年誕生日を迎えると37歳となる現在まで、輝かしい戦歴を誇る、まさに伝説の選手です。
テニスプレーヤーは、それぞれが自分の得意とするプレースタイルを持っており、それは多様です。
ここでは、この伝説の名プレーヤーであるラファエルナダル選手のプレースタイルに迫ります。
ラファエルナダルのプレースタイルを解説
Hola a todos. Quiero comunicaros la incorporación de Gustavo Marcaccio (🇦🇷) al equipo técnico. Gustavo lleva trabajando en la @rafanadalacademy desde abril de 2021 y entiendo que es una buena incorporación al equipo. Seguro que nos ayudará mucho para seguir el camino ¡Bienvenido! pic.twitter.com/DEnKvpfRRs
— Rafa Nadal (@RafaelNadal) December 19, 2022
ラファエルナダル選手のプレースタイルを、
- サーブ
- フォアハンド
- バックハンド
- リターン
- ボレー
といった各ショット別にまとめ、解説していきます。
ラファエルナダルのサーブ
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Check out the new bag I’ll be using throughout my journey in Australia.
#Kia #Babolat #Movement #VamosRafa #Inspiration #RafaelNadal #MovementThatInspires pic.twitter.com/8PEjmrMcMZ— Rafa Nadal (@RafaelNadal) January 31, 2021
ラファエルナダル選手のプレースタイルについて、最初に取り上げるのはそのサーブです。
ナダル選手のサーブは、一口では語れません。
なぜなら、2005年に全仏オープンを初制覇したころと、現在ではその位置づけが全く異なっているからです。
これは、後述する各項目にも大きく関わってくる事ですが、2005年当時のナダル選手のサーブは、ストローク戦の開始ショットと言えるでしょう。
サーブを打つことにより、その次からのショットを自分の有利にもってこれるようプレースメントするスタイルです。
サーブのスピードやサービスエースは求めず、しっかりと回転をかけて良いコース、場所へ打っていき、そこから始まるストローク戦でしっかりポイントを取れるように仕向ける戦略といえます。
これは、この当時のナダル選手が、ストローク戦に絶対の自信をもっており、1球でも相手コートに返すフットワークでは誰にも負けない、という信念に基づいています。
あえてサービスエースを狙う必要が無かったのです。
しかし、年齢が30代半ばを過ぎた今はどうなのでしょうか?
ナダル選手のサーブは、若い頃よりも数段スピードが上がっているのです!
ナダル選手の盟友であり、素晴らしいライバルであるロジャーフェデラー選手は、当初よりサーブを大きな武器としています。
その昔のフェデラー選手とナダル選手の対戦では、ファーストサーブでは20-30キロくらいフェデラー選手が速いサーブを打っていました。
したがってサービスエースの数も、当然フェデラー選手が上回りますが、ナダル選手はとにかくダブルフォルトで失点しない事が主眼であるかのようなサーブでした。
ところが現在のナダル選手は、サーブを磨きに磨き、フェデラー選手と遜色無いほどのスピードを出せるよう、特にここ数年で大きく変化しました。
さらにセカンドサーブにおいてもポイントを取れるよう、セカンドサーブの速度も年々上がっています。
2022年全豪オープンでは、ビッグサーバーで知られるベレッティーニ選手のセカンドサーブ平均速度を、ナダル選手が上回ったという、意外な結果を導き出しています。
サーブに関してナダル選手の戦略は大きく変化し、現在はサービスエースや、サーブのフリーポイントを出来るだけ増やし、なるべく短い時間でサーブゲームをキープしたい、そんな戦略が垣間見えます。
ラファエルナダルのリターン
😉💪🏻 pic.twitter.com/6uJZSS57jZ
— Rafa Nadal (@RafaelNadal) July 1, 2020
リターンの名手は数多くいます。
ジョコビッチ選手、錦織選手、そしてナダル選手もその一人です。
そのナダル選手はリターンに関してどのようなことを考えてプレーしているのでしょうか?
ナダル選手のリターンに対する考え方、最も重要なのはまず返球することです。
サービスエースや、サービスフリーポイントを取られてしまったら、その時点でポイントを失い、ナダル選手得意のストローク戦に持ち込めていないということになります。
そのためナダル選手は、返球する事を第一義的に考え、プレーしています。
ナダル選手の試合中に、姿が見えないほどコートフェンスギリギリまで下がってリターンをするナダル選手をよく見かけます。
これは返球する事に主眼を置いたナダル選手リターンの特徴的なプレーです。
ジョコビッチ選手、錦織選手はサーブの読み、予測が大変優れています。
ナダル選手も同様で、相手サーブの構え、癖、スピードなどによって微妙にポジションを変えて対応しているので高速サーブに対してもリターン率が高くなるのです。
リターンの姿勢は低く構えること、これがより速く動けて、パワーも出る源です。
相手セカンドサーブとなった場合は、ナダル選手は出来るだけフォアハンドでリターン出来るようなポジションを見つけようとします。
バリエーションが多くないセカンドサーブは前目のポジションでフォアでのリターンを狙いますが、バリエーションの多いプレーヤーとの対戦では、セカンドサーブと言えども下がるケースもあります。
ナダル選手はこういったことを意識して、リターンに臨んでいます。
ラファエルナダルのフォアハンド
— Rafa Nadal (@RafaelNadal) March 28, 2023
ナダル選手の最大の武器といってよいフォアハンド、これにはどのような特徴があるのでしょうか?
ナダル選手のフォアハンドといえば、ヘビートップスピンの高弾道なショットです。
相手ショットがやってくると、ボールを引きつけるだけ引きつけ、膝を十分に曲げてタメを作り、体幹、背筋、地面を蹴る脚の力、腕、全てのパワーを集結させてラケットを下から上に強烈に振り上げてボールをインパクトするというイメージです。
強烈な引きつけをしているにもかかわらず、打点はかなり前であり、インパクト直前のラケット面は下を向き、インパクトで垂直となるいわゆる厚い当たりの典型的、極致的なショットと言えます。
これが高スピン量を生み、強烈で高弾道なショットを生み出しているのです。
このショットを打たれた相手は、高く、高スピンで、強烈な威力を持つボールですので、極めて返球しづらい、あるいは返球してもナダル選手が有利となるような展開に持ち込まれ、苦戦を強いられます。
ボールが高く弾み、バウンドでスピードがやや吸収されるクレーコートでは、最大限ナダル選手のこのフォアハンドが炸裂します。
スピードがやや吸収された段階で、ナダル選手は十分にボールを引きつけることができ、最大限のパワーでショットを打てます。
そしてクレーコートがさらにバウンドを高く弾ませてくれるわけですから、相手はたまったものではありません。
ナダル選手がクレーキングと言われる所以です。
ラファエルナダルのバックハンド
Barcelona es un torneo especial para mi, porque es mi club de adopción y porque jugar en casa es siempre una sensación única.
Aún no me encuentro preparado y sigo, por tanto, mi proceso de preparación para la vuelta a la competición. pic.twitter.com/ZbgTv20Fo3
— Rafa Nadal (@RafaelNadal) April 14, 2023
ナダル選手が未だに進化を続けているもう一つの側面、それはバックハンドです。
2015年から2016年にかけて、ナダル選手はキャリア最大とも言って良いスランプに遭遇します。
それまでの対戦成績で大きく分のあったフォニーニ選手に3度敗れ、また対戦17連勝中だったベルディヒ選手にも敗れています。
全仏ではジョコビッチ選手にストレートで敗れて自身全仏でのキャリア2敗目を喫してしまいます。
いよいよナダル選手も限界か?といった声があちこちから聞こえてきました。
2016年リオデジャネイロオリンピック銅メダルマッチで錦織選手に敗退した後、ナダル選手は復活を期し、猛練習を積んだに違いありません。
そしてナダル選手、フェデラー選手が復活を遂げた2017年全豪オープン、ナダル選手はバックハンドと、後述するネットプレーを磨きに磨き、ニュースタイルのナダル選手として輝きを取り戻したのです。
初期のナダル選手は、あまりにもフォアハンドストロークのイメージが強く、バックハンドはあくまで「つなぎ」的要素のショットでした。
相手の攻撃的ショットを拾いまくり、いつの間にか形成逆転、そして強烈なフォアハンドウィナーを決めてバーモス!のガッツポーズで仁王立ちする、そんなイメージです。
それがニュースタイルのナダル選手は、相手のバックハンドへの攻撃をものともせず、特にクロス側に超高速ウィナーをお見舞いするように変身しました。
この潮流は現在に至るまで続いています。
ナダル選手のフォアハンドが、高弾道、高スピンのショットであるのに対し、バックハンドは比較的低弾道でフォアハンドほどのスピン量はありません。
その代わりにスピードが増大しています。
ナダル選手のフォアハンドを警戒してバックハンドにボールを集める相手選手、そこにナダル選手の高速ニューバックハンドが待っているのです。
ラファエルナダルのボレー
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サーブ、バックハンドを進化させたナダル選手、ボレーはどうなのでしょうか?
元々、ナダル選手はボレーのうまい選手です。
その昔はあのフェリシアーノ・ロペス選手とダブルスペアを組んでいた時代もありました。
初期のナダル選手のボレーは、相手の息の根を止める、という言葉がぴったりです。
いくら攻撃しても全て跳ね返され、逆襲をくらってどんどん追い込まれていく相手選手、そしてストロークでもウィナーとなりそうなショットの後、ナダル選手がネットで構えています。
ナダル選手にボレーを決められ万事休す、こうなるともう手も足もでない、戦意喪失とまではいかないまでも、相当なダメージを食らうのです。
何度も華麗なる復活を遂げてきたナダル選手、年齢とともに長期戦、スタミナ勝負から、展開力、組み立てでポイントを奪取するスタイルが目立つようになってきました。
もちろんあのフォアハンドは健在ですが、出来るだけ早くポイントを終わらせ、その後の試合展開に備えるのです。
ナダル選手はとても頭の良いプレーヤーで、試合展開の読みにも大変優れています。
この場所にアプローチすればほぼここに返球される、それを待ち構えて、ボレーで仕留める、そんな詰め将棋のような展開でポイントを奪います。
また、ドロップボレー、ドロップショットのような巧みなショットについてもさらに精度がアップしています。
まとめ
Os quería comunicar que Francis Roig deja el equipo. Francis ha sido una persona importante en mi carrera y le estoy muy agradecido por todos estos años de trabajo y amistad. Cuando empezamos a trabajar juntos yo era un niño y junto a mi tío Toni, empezábamos en el circuito. pic.twitter.com/qeW0wFQTpa
— Rafa Nadal (@RafaelNadal) December 16, 2022
不世出の名テニス選手 ラファエル・ナダル選手のプレースタイルに迫ってみました。
いかがでしょうか?
世界からは次から次へと素晴らしい選手が登場してきます。
テニスラケットの進歩を始め、トレーニング方法の進化等もあり、年々テニスは高速化し、とどまるところを知りません。
そんな激しい競争の世界で、15年以上も世界のトップを争う位置に君臨し続けること、これはまさに至難の業とも言って良いでしょう。
それをやり続けてきた、そしてまだまだやり続けるナダル選手がいかに偉大な選手香川借ります。
今後もナダル選手のプレーに注目しましょう!
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